銀行業界は、大きな業界再編を経て不良債権処理も進み 収益改善・業績回復を成し遂げてきました。メガバンクの経営方針はバブル崩壊後、大企業取引、国際・市場部門での収益拡大に限界が見えてきたなかで、投資銀行業務や
リテール取引を強化するようになりました。直接金融への比率を高める各行は相次いで投資銀行業務を強化しています。企業の負債圧縮が進行し銀行融資に対する需要がなくなっていく中、各メガバンクは、系列の証券会社と協業し資産流動化や財務アドバイザリー業務などの投資銀行業務を積極的に手がけるようになり、大きな利益をたたき出しています。
また、リテール戦略では、預金よりも収益性の高い投資信託や生保商品など変動商品の販売を強化しています。膨大な顧客数を有するメガバンクは、個人顧客を各セグメント毎に分け異なる営業方法と営業体制を敷いています。いわゆる超富裕層に対しては,顧客ごとにスペシャリストを配置し,オーダーメードの商品・サービスを提供しています。提供する商品開発面では欧米の証券・銀行と提携し海外のヘッジファンドや私募債などを仕入れ、プライベートバンキング子会社を設立し,銀行などの業法に抵触せず,一元的に商品・サービスを提供しています。
富裕層,資産形成層に対しては、ファイナンシャル・コンサルタントと呼ばれる専門職を配置し,投資信託や個人向け国債、個人年金保険などの商品群で顧客対応力を強化しています。戦略や収益構造の変化に伴い、採用ニーズもいわゆる総合職採用から専門職での採用を積極的に行うようになり多様化が進んでいます。