金融転職 ホーム > M&Aの転職/最新求人情報 > M&A業務未経験者の転職成功ポイント
M&A業務への転職を希望する方は相変わらず多く弊社に相談に来られる方でもかなりの比率となっています。M&A関連のプレーヤーは外資系証券会社や日系大手証券会社の投資銀行部門、メガバンク等の銀行、投資ファンド、大手商社、BIG4系FAS、会計系や戦略系コンサルティングファーム、M&Aブティック系ファームなどさまざまです。
なかなか経験者でないと選考を突破することは難しい業界でありますが、中にはこれまでのキャリアを活かしたポテンシャルでの採用にいたるケースも多数見受けられます。それでは未経験者採用では何を重視して採用に至るのでしょうか?
まず、未経験者採用について一番のポイントとなるのは、「M&A業務をやりたいという強い意欲」です。ただ、意欲といっても「M&A業務をただやりたい」というだけでは面接は突破できません。M&A関連の業務をやりたいという以上、それなりにご自身で勉強されており、普段からM&A関連のニュース等細かくチェックしていることなどは重要なポイントとなります。
企業はなぜM&Aを行うのか、案件が動き出したときのおおまかな流れ、これまでの案件事例、業界動向、M&Aのアドバイザリーを行うことでどう企業に価値を提供しているのか等々、その辺りをしっかりと面接の場で語れることが重要になってきます。ポテンシャル採用の場合、細かいファイナンスの実務経験や知識は無いというのは面接官も理解していますので、まずはM&A業務を行いたい理由を理論立てて説明できることが重要です。
最近の大型案件の傾向としては、国内大手企業同士のM&Aというよりは、インアウトのクロスボーダー案件が主流となっています。この場合、英語でのコミュニケーション能力は必須となります。
次に件数としては、中堅・中小の特に事業承継に絡んだM&A案件が大幅に増加しています。ここで必要になるのはファイナンス面での知識は勿論ですが、まずはコミュニケーション能力と営業力です。オーナー企業の社長や経営陣とのコミュニケーション、また買い手企業の選定等あらゆる面でそのコミュニケーション能力と営業力が問われます。真っ先に対象となりそうなのが、銀行の法人営業職・大手証券会社の事業法人担当ですが、金融機関以外の方でもご自身のコミュニケーション能力と営業力を活かしてご活躍されていらっしゃる方も見受けられます。
M&A関連の採用1次面接の質問内容は、おおよそどこも同じような感じです。「なぜM&A業務を希望するのですか?」「志望動機は何ですか?」「なんで当社なのですか?」「これまでの経験でM&A業務で活かせるものは何ですか?」」等です。なぜM&Aなのかと質問に「興味があります」とか「憧れです」などの回答ではそれで終了してしまいます。
競争相手の多いM&A関連の採用での薄っぺらい回答は、M&Aアドバイザリー業務の「うわべ」だけをとらえている応募者とみなされてしまいます。M&A関連の書籍・雑誌を読み漁り、ソーシングからエクゼキューションの一連の流れ等を学習することはもちろんの事、周辺でM&Aアドバイザリー経験者を見つけ、実際にどのような仕事をしているのか話を聞いて、自分の現状の仕事との繋がりを見いだすのも大切です。ある程度、実態の業務を理解していないと面接では対応できません。また「なぜ当社なのか」の回答は特に重要です。ランキング等M&A業界での位置づけや評価、過去の実績などいくつかの回答を用意する必要があります。
企業にもよりますが、未経験者の面接でもある程度の専門的な質問をしてきます。内容としては、バリュエーション・法律・会計・税務関係等です。たとえば、バリュエーションであれば手法にはどのようなものがあるか、DCF法とは?、マルチプル法の説明等々、細かい内容を聞くと言うよりは、漠然と聞いてみてどこまで回答できるかを見ています。M&A業務をやりたいという強い意欲があるのであれば、志望動機書作成前には、M&A関連の実務書籍を何冊か熟読しておくことです。